2018年春、初代南極観測船「宗谷(そうや)」を見学してきました。
お恥ずかしながら、船名の読み方すらあやふやだったのですが、説明パネルや映像もあり、楽しく学ぶことができました。
宗谷(そうや)とは
宗谷は、1938年~1978年の40年もの間、現役で活躍した船です。
そんな宗谷が南極観測船として南極大陸に向かったのは1956年のこと。
建造から18年と老朽化していた上に、馬力も小さく、当時は南極到達は無理だろうという意見もあったそうです。
それでも宗谷は南極大陸にたどり着き、「不可能を可能にする・・・強運と奇跡の船」と呼ばれました。
けれど、じつは宗谷の強運はこれだけではなかったようです。
戦時中は、魚雷が命中しても不発だったり、トラック島大空襲においては宗谷だけが奇跡的に生還したり・・・。それを証明するかのように、魚雷と記念撮影!している展示パネルがありました。
魚拓じゃなくて、魚雷ですよ・・・
南極では氷に閉ざされたこともあったそうですが、そこはさすが強運と奇跡の船。ピンチの時は外国船に助けられるなど、宗谷の強運は続いたそうです。
船内見学
まずは、宗谷見学の入り口から。ここから乗船します。
チケット売り場らしきものが見えますが、入場料はありませんでした。ただ、宗谷の維持費として寄付金を募っているとのことだったので、些少ながら協力させてもらいました。
ペンギンがお出迎え・・・と思ったら、士官用の食堂だそうです。
士官クラスの人は、ここで食事や会議をしたそうです。白い椅子カバーからは昭和を感じます。
通信室。当時、無線は大変重要だったそうです。
宗谷のスクリューです。現在は取り外して展示されています。意外と小さいです。
宗谷にまつわるエトセトラ
三毛猫タケシ
タロとジロをはじめとするカラフト犬が南極に渡ったことは有名ですが、実は三毛猫も南極大陸に降り立っていました。
その名は、タケシ。
オスの三毛猫は縁起が良いとされ、無事に航海できるよう、安全を願って宗谷に乗せられたそうです。
タケシは、永田武隊長の名前をもらって名づけられました。
船内には、永田武隊長の膝に乗るタケシ(マネキン)が展示されています。
宗谷海岸
南極大陸には、宗谷にちなんで名づけられた「宗谷海岸(そうやかいがん)」があるのをご存知でしょうか?
私はまったく知りませんでした!
南極に日本の名の付いた土地があるのは意外でしたが、嬉しいものですね。
宗谷海岸は、1957年、日本の第1次南極観測隊が初上陸した地点だそうです。
大変なのは赤道直下!?
赤道直下の航海中は、厳しい暑さに苦しめられたそうです。寒さだけが敵、ではなかったんですね。
当時はエアコンがなかったので、船内では小さな扇風機をいくつも見かけましたが、扇風機でしのげる暑さではなかったようです。
ちなみに、南極では、氷を蒸気で沸かしていたので、温かいお風呂には困らなかったそうですよ。
おわりに
当日はあいにくの天候でしたが、晴れていれば甲板も気持ちいいと思います。
興味ある方は、是非ほんものの宗谷に乗船してみてくださいね!!