ミラーレス一眼カメラでも、バルブ撮影モードを使えば、美しい船の光跡を撮影することができます。花火や車のテールランプ、星空など、いろいろな被写体への応用も可能な撮影モードのひとつです。
バルブ撮影とは

バルブ撮影とは、バルブ(BULB)撮影モードを使った撮影方法です。
バルブ撮影では、撮影者がシャッターボタンを押している間シャッターが開き続けます。αで30秒以上シャッターを開けたい場合や、光が尾を引くような写真や星の軌跡を撮りたい場合に使います。
バルブ(bulb)とは、夜景や天体撮影時などの長時間露光撮影時に使う機能です。シャッタースピードをバルブ(B)に合わせると、シャッターボタンを押している時間だけ露光され、シャッターボタンを放すとシャッターが閉じます。この機能をバルブ(bulb)といいます。
Canon写真用語集
バルブでの撮影方法
バルブ撮影をおこなうには、カメラの撮影モードを「BULB」にしてあげます。
Sony αの場合、以下の手順でモード設定できます。
- 撮影モードをM(マニュアル露出)にする
- シャッタースピードの設定で、[BULB]が出るまでコントロールホイール(ダイヤル)を左に回す
また、カメラ本体のシャッターボタンを手で押し続けるとブレやすくなるため、三脚はもちろん、カメラに触れずにシャッターが切れるレリーズを使うのがベストです。
バルブでの撮影例(失敗バージョンあり)
2016年に撮影したものですが、バルブで撮影した作例をご紹介します。

隅田川を行き交う水上バスや屋形船を永代橋の上から撮影しました。船自体は写らず、光跡だけが写っています。シャッタースピードは約91秒。

こちらは失敗例。シャッターを開けているタイミングが悪いと光跡が中途半端になります。とほほ。。シャッタースピードは34秒です。
バルブ撮影のデメリット
バルブ撮影に限りませんが、シャッタースピードが長くなると、ノイズが発生します。
長時間ノイズ、または長秒ノイズと呼ばれるノイズ。画面の中に星のような点が発生します。
ログカメラ
このノイズ、シャッタースピードが長くなると発生するノイズです。長時間露光するときに出るから長時間ノイズ。わかりやすいですね。
そのため、カメラにはノイズを除去してくれる「ノイズリダクション(Sonyの場合:長秒時NR)」という機能があるのですが、これが結構クセモノで、ノイズ除去処理にシャッタースピードと同じ時間がかかります。
つまり、バルブで1分半かけて撮った写真は、さらに1分半かけてノイズを除去しますので、撮影に3分かかるのです。。当然、ノイズ除去中は撮影できないので、その間シャッターチャンスを逃してしまうことになります。
こうしたことから、シャッターチャンスを優先したい場合は「ノイズリダクションをオフにしましょう」なんて言われたりするのですが、カメラによってはオフ機能がないので注意が必要です。(α5100には見当たりませんでした)
使用したレリーズ
撮影で使用したレリーズは、Sonyの「RM-VPR1」。

シャッターロック機能があるので、シャッターボタンを押し続ける必要がなく、便利です。90秒とかならまだしも、もっと長時間露光する場合、ずっーーっとシャッターボタンを押し続けるというのはなかなか骨が折れるもの。
その点、シャッターロックができれば、シャッターボタンから手を放しても大丈夫です。
また、RM-VPR1本体には電池がないので電池切れの心配もなく、ズームから電源のオンオフまでできるので気に入っています。
まとめ
バルブ撮影についてまとめです。
- バルブは撮影方法のひとつで、シャッターボタンを押している間は、シャッターを開けておくことができる。(ボタンを押すとシャッターが開き、放すとシャッターが閉じる)
- レーザービームのように光が尾を引く写真や星の軌跡を撮るのに適している。
- 三脚とレリーズがあるとよい。
- 難点は、長時間シャッターを開けておくとノイズが出る。ノイズを除去しようと思うと、撮影時間が倍になる。
航跡を撮りたい場合は船が通るタイミングがめちゃくちゃ重要です。気づいたら船が通り過ぎてた!・・・なんてこともあるので、シャッターチャンスをしっかり狙っていきましょう!